不定期連載街建コラム

コンクリート除去剤。重機や道具等についたコンクリートやモルタルをキレイにしたい。コンクリート除去剤を使ったら驚きの結果に!?《第51回 街建コラム》

街建コラムも第51回となりました。

皆さんは『51』という数字で何を思い浮かべますか?
エリア51?素数? 5W1H?豚まんかもしれません。
ちなみに私はイチロー選手でした。CMやニュース番組でイチロー選手をよく見ていたので背番号である「51」という数字がとても強く印象に残っています。
ペプシコーラのCMを今でも覚えていてたまに飲みたくなります。
何気ない数字から意味を連想するのも頭の体操のようで楽しいですね。

お話が逸れてしまいました。
本題に戻り、現場でミキサーや攪拌機、車両などにコンクリートが付着しているのを見かける事があります。そのコンクリートって取れないのかなぁなんて気になります。
そこで今回は重機や車両についてしまったコンクリートを落とす『コンクリート除去剤』を取り上げて行きます!

第51回街建コラムメインイメージ:コンクリート除去剤。コンクリート除去剤を使ったら驚きの結果に!?

《目次》このコラムの内容は...


どんな場所にコンクリートがつくのか

コンクリートを使用する工事現場では、注意していても作業時にいろいろな場所にコンクリートが飛び散ってしまう可能性があります。
勢い余ってコンクリートやモルタルが近隣の車にかかってトラブルになったということも聞きますので、工事現場は細心の注意が必要です。

他の例として、近くに止めていたトラックやショベルカーのボティなど大きな面にはもちろんのこと、グラウトポンプなどの作業機材類にもコンクリートが付着してしまいます。
工事作業をしているので仕方ない部分はありますが、作業後の洗浄を行わなかったり、洗浄しても落ち切らないままにしてしまうと固まって残ってしまいます。
コンクリートが付着する場所によっては、機械の不具合に発展することにもなりかねません。
また会社が保有している重機建機のボディ面が汚れていると、その会社のイメージ低下につながる可能性もありますので気を付けたいですよね。

付着したコンクリートを除去するためには

コンクリートが付着した直後であれば、水洗いで落とすことはできます。
ですが、付着したまま何日か経過してしまうと簡単には落ちません。

物理的に除去する方法としては、堆積しているコンクリートであればゴムハンマーで叩けば大まかなところは砕けて剥がれますが、塗料のように薄く張り付いたものや飛び散った豆粒のようなものは非常に取りにくいですよね。

スクレーパーなどで斫(はつ)っていくような方法がありますが、綺麗にしようとした箇所を逆に傷つけてしまうなどのリスクも大きく、時間や手間を考えると中々効率的とは言えません。

「もっと簡単にコンクリートを綺麗に落とすことはできないの?」
という方のために、今回はサンエスエンジニアリング株式会社の「コンクリート除去剤」をご紹介いたします。

コンクリート除去剤とは?

サンエスエンジニアリング株式会社のコンクリート除去剤は、コンクリート皮膜を除去する専用の洗浄剤です。コンクリートの打設や運搬などで重機・車両・発電機・グラウトポンプに飛散等で付着したコンクリートを落とすのに最適です。
原液、または水で5倍まで希釈して使用します。

液性は酸性なので、アルカリ性のセメントを化学反応によって分解します。
通常品の他にも、強力タイプや強力速効タイプなどコンクリートの種類や厚さによって使い分けができるのも特長です。
厚みがあるコンクリートは洗浄剤が浸透しにくいので、前もってゴムハンマーなどで割ってできるだけ薄く、小さくしてから施工した方が良いそうです!

施工は刷毛等で塗布するだけなので作業者の負担を軽くすることができますね。


標準タイプの「#200」

https://machiken-pro.jp/shop/g/g9999-9999A18697/

強力タイプの「#250」

https://machiken-pro.jp/shop/g/g9999-9999A18698/

強力かつ速効性(反応性)を高めた「#300」

https://machiken-pro.jp/shop/g/g9999-9999A18699/

粘度を上げ立面に対しても流れ落ちにくい増粘密着タイプの「#333」

https://machiken-pro.jp/shop/g/g9999-9999A18700/

※増粘密着タイプ#333について
増粘密着タイプ(#333)の粘度がどのくらい違うのか、強力速効タイプ(#300)と比較してみましょう。
画像内の左側が強力速効タイプで、右側が増粘密着タイプです。

増粘密着タイプ#333
画像出典元:サンエスエンジニアリング株式会社

塗り付け直後(左)
塗り付けから10秒後(右)

アルミ部分にも使用できるよう影響を受けにくくした成分内容の「AL」

https://machiken-pro.jp/shop/g/g9999-9999A18993/

材質対応表

鉄・鋳物
ステンレス
軽金属 ×(※)
メッキ
塗装面
ガラス
ゴム
プラスチック

△ 一部注意の項目に使用する場合はあらかじめテストしてからご使用ください

※ ALは軽金属分類のアルミに対応

コンクリート除去剤の使い方

塗布洗浄

1.材質確認

対応材質表を参考にして事前テストを行います。また同時に希釈割合も確認してください。

2.液剤希釈

コンクリートの厚みによって原液〜5倍に水で希釈します。

3.塗布

洗浄液をまんべんなくコンクリート面に塗布します。
⇒洗浄液を塗布すると、コンクリートと反応し泡が発生します。

4.放置

様子を見ながら反応が消えるまで5分ほど放置します。
⇒状態によりますが、通常は2〜3分程で反応が収まる場合が多いです。

5.擦り洗い

軽くブラシやスポンジで擦り洗いを行います。

6.濯ぎ

十分に水で濯ぎます。


浸漬(しんせき)洗浄 (小さな部品などでご使用頂けます。)

1.材質確認

対応材質表を参考にして事前テストを行います。また同時に希釈割合も確認してください。

2.液剤準備

バケツやコンテナなどに液剤を投入します。

3.浸漬

様子を見ながら反応が消えるまで5分ほど浸漬します
⇒長時間の浸漬は洗浄対象の材質を傷めてしまう可能性があるため、泡が出なくなる(反応しなくなる)5分程で洗浄を終えてください。
⇒液剤は浸漬量にもよりますが、基本使いきりとお考えください。

4.擦り洗い

軽くブラシやスポンジで擦り洗いを行い水で濯いでください。
⇒より洗浄性を重視される場合はワイヤーブラシの使用も一案です。

5.濯ぎ

十分に水で濯ぎます。

コンクリート除去剤を使った洗浄例

1.塗布洗浄(攪拌機の羽根に付着した樹脂入りモルタルの除去)


今回は「コンクリート除去剤#200」を実際に使用して、攪拌機の羽根に付着したモルタルを除去しようと思います。攪拌機の羽根はモルタルを混ぜるのに使用するため、モルタルが残り汚れてしまっていますね。
モルタルを落として黄金の羽根を取り戻してみせます!
攪拌機の羽根に付着したモルタル
まずは「コンクリート除去剤#200」を原液のまま刷毛で全体的に塗布します。
温泉の匂いがします。硫黄のような臭いです。
薄皮部分のモルタルは刷毛で塗布しただけで溶けてなくなりました。これは期待ができそうです。

この商品は酸性なのでゴム手袋を着用し、施工は外で行うか換気を十分に行ってください。
刷毛でコンクリート除去剤を塗りつけた攪拌機の羽根
5分後、モルタルが付着した部分をタワシでこすって洗い落とします。
ある程度まで付着したモルタルを落とすことができました。
モルタルの厚みがあると浸透するのに時間がかかるため一回では難しいようです。

塗布洗浄を繰り返そうとも思ったのですが、せっかく2パターンの落とし方があるので、もう片方も実践してみましょう!
若干モルタルが残っている攪拌機の羽根
という訳で、塗布洗浄で残ったモルタルを浸漬洗浄で落とすことに挑戦です。
浸漬洗浄を行うために撹拌機をバケツに投入
画像はバケツの中に「コンクリート除去剤#200」を入れ、攪拌機の羽根を5分間付け置いた後です。
見た目はあまり変わっていませんね。

今度は漬け込んでいますので塗布よりも浸透しているはず。
果たして落ちるのでしょうか…!?
浸漬洗浄を行う前の撹拌機
なんということでしょう。ピカピカの黄金の羽根です。

タワシでこすると、モルタルが塗布のときより柔らかく感じました。
しかし、厚みがある部分には完全に浸透しておらず…。
厚みがあるモルタルはヘラを軽く使用し、取り除けました。

この後、コンクリート除去剤を塗ったあとはサビが出てきてしまう場合もあるということなので、念のため防錆効果をもつ5-56を吹き付けました。

ここまでモルタルが落ちると気持ち良いですね。
ピカピカに復活した攪拌機の羽根

【使用した商品や道具】

・コンクリート除去剤#200
・ゴム手袋
・刷毛
・タワシ
・ヘラ
・バケツ
・5-56

2.塗布洗浄(ショベルカーのバケットに付着したコンクリートの除去)


続いてサンエスエンジニアリング様から施工写真を提供していただいたので、そちらを紹介します。

作業前のショベルカーのバケットです。取りきれなかったコンクリートが付着しています。
「コンクリート除去剤#200」を使用して、ショベルカーのバケットに付着したコンクリートを除去します。
ショベルカーのバケットに付着したコンクリート
画像出典元:サンエスエンジニアリング株式会社
#200を塗布すると、アルカリ性のコンクリートが酸性の洗浄剤に反応して、ジュワジュワと泡が出てきている様子です。通常だと数分程度で泡は納まるようです。
コンクリート除去剤が反応している様子
画像出典元:サンエスエンジニアリング株式会社
すでに化学反応でコンクリートが溶けている状態なので、軽くブラッシングするだけで除去できるとのこと。これで施工完了。

斫(はつ)る作業よりも大幅に手間を減らせますね。
コンクリート除去剤でキレイになったショベルカーのバケット
画像出典元:サンエスエンジニアリング株式会社

【使用した商品や道具】

・コンクリート除去剤#200
・ゴム手袋
・刷毛
・食器洗い用スポンジ
・洗車用プラスチックブラシ

注意事項や補足

サンエスエンジニアリングの担当者より注意事項などをお聞きしました。

・注意したいのが、このコンクリート除去剤は最後の仕上げでご使用いただきたい点です。
もちろん堆積しているコンクリートにも使用はできるのですが、厚く付着している場合は液剤が内部まで浸透するまでに時間がかかったり、塗布を繰り返したりする必要があります。

・#333と比較して#200、#250、#300、ALの方が粘度がないため洗浄面は広がります。
広範囲の洗浄が必要な場合や洗浄する面をできるだけ稼ぎたい場合は、#333以外のタイプがオススメです。

・洗浄後は汚れも除去され脱脂された状態になりますので、鉄部分などは錆びやすくなります。必要により防錆処理をオススメします。


とのことでしたので、ちゃんと把握しておく必要がありそうです。

最後に

今回はコンクリート除去についてのコラムでした。
例え小さなコンクリートでも、無理矢理剥がそうとすると傷んでしまう場合や損傷に繋がるケースもありますので、コンクリート専用の洗浄剤がオススメです。

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参考

画像提供