セメントの種類にはどんなものがあるのか、まとめてみました

セメントといえば、普通ポルトランドセメント、白セメント、ジェットセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントなど、製造方法や混和材などによってさまざまな種類に分かれています。

セメントは最近のDIYブームなどでも注目を集めていますので、今回のセメント特集では、セメントの種類や一般的な特長、街建サイトで問い合わせが多く、さきほど名前のあがったセメントだけでなくタイルセメントやメジセメントなどセメントと名前がつくモルタル製品等も含めて紹介します。

セメントが固まるまで

セメントは水硬性の材料です。つまり水に反応して固まります。 水に反応したセメント粒子から針状結晶(エトリンガイド)が伸びて固まります。

通常セメントは、体積の約35%の水で固まります。しかし、ごわごわして塗りにくく、作業性がよくありません。

一方で体積の60〜70%の水と混ぜた場合、一般的には作業性がよいものになるといわれています。しかし71%以上の水の混入は入れ過ぎとされ、乾燥時に収縮によるひび割れの原因となります。

セメントの種類と使い分け

普通ポルトランドセメント

色は灰色、主に、セメントモルタル、コンクリートの固化材として使われます。

一般的にセメントを作る際は、(製品によって異なりますが)原料の石灰石と粘土、その他原料(けい石、鉄原料など)を混合粉砕し、約1,500℃で焼くことで、クリンカができます。

このクリンカはケイ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノフェライトが主要成分になります。
それを冷却し、石膏を少量混入して粉状にしたものがセメントになります。

ちなみにポルトランドセメントのポルトランドとは、イギリスのポートランド島で取れる石材(ポルトランド石)に似ているからという話もあります。

主な用途としては、一般の土木工事、建築工事をはじめコンクリートやセメント二次製品などに幅広く使われます。

白色ポルトランドセメント

白セメント、ホワイトセメントと呼ばれることが多くあり、一般的には製造の際に、セメントの灰色を出している酸化鉄(3〜4%)を0.3以下にしているセメントです(製品よって異なる場合があります)。
色は白く、着色しやすいので、無機顔料などで着色の必要がある現場で使用されるケースが多くあります。

超速硬セメント

通常のセメントよりも凝結、硬化が早いことが特長です。
主な用途としては、橋梁、道路、鉄道などの緊急補修工事などで使用されます。
凝結を遅延させる「制御材」を添加して硬化までの作業時間を調整します。

アルミナセメント

一般的にはボーキサイトなどのアルミナ分を含んだセメントで、硬化が早く、耐火性、耐海水性に優れているという特長があります。
緊急性の高い工事、地下水道、工場排水溝、工場煙突などに利用されています。(製品よって異なる場合があります)

高炉セメント

一般的には鋼材(製鉄工場)の製造工程でできる副産物の高炉スラグが原料として混和されています。耐海水性やアルカリ骨材反応抑制に効果を発揮します。
ダム、海岸構造物などで使用されるケースが多くあります。(製品よって異なる場合があります)

フライアッシュセメント

一般的には火力発電所で微細な石炭灰を燃焼させた時にでる副産物のフライアッシュが原料として混和されているセメントを言います。
緻密な硬化体を形成し、ワーカビリティー(流動性)の改善します。

ダム・橋梁などのマスコンクリート、一般土木工事などに使用されるケースが多くあります。(製品よって異なる場合があります)

一般に言われているセメントの他に、タイルセメント、目地セメントなどと商品にセメントと名前の付く人気商品を合わせて紹介します。こちらの商品は昨今のDIYブームにより特に注目を集めています。

タイルセメント

タイルセメントはタイル貼付け用のプレミックスモルタルです。
セメント、骨材、混和材などをタイル貼付け用として適正に配合した商品です。

貼り付けるタイルの大きさなどに合わせて商品の種類を選択できるものが多くあります。

目地セメント

目地セメントは、「タイル化粧目地材」や「セメント系タイル目地材」といわれる材料で、タイルを貼った建物の美観を保つために使用されるのと同時に、タイルの裏面へ雨水が浸入することを抑える働きがあります。

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