《第12回 街建コラム》 駒形石灰インタビュー《後編》「石灰の土地に生きる」

街建のご利用ありがとうございます。街建の中のヒト5号です。
前回の街建コラム「駒形石灰工業株式会社」さまのインタビューはいかがでしたか?
社員とグループの「和」会社と地域の「和」をイメージしてロゴを作成した駒形社長ですが「和」を取り入れた理由は何でしょうか?引き続き、後編もお楽しみください。


──「和」というお話がありましたが、地域社会のことを常に意識されているのでしょうか?

やはりこの地元で採掘しているからということもあります。石灰組合の会館はご存知ですか?その中に「総百姓177人の願い書」というのがあって、江戸時代の頃は石灰業をやりたいとお役人様に申し出て、権利の「株」を幕府から買って商売を行いますが、その当時の経営者が何か悪いことしちゃったのかな?「株」を取り上げられてしまったんです。
※株…土地や用益権など様々な権利

山の木を切って土を剥いで石を出して加工する人、加工したものを俵に詰める人、運ぶ人たちの仕事がなくなってしまう事態となった。なのでお役人様に「事業を再興させてもらえないか」という願い書を出した。その願い書には「名前」と「判」があり農民も江戸時代中期以降は「判」を持っていたことが分かったんですね。「労働集約型産業」が昔から根付いている地域で色々な地域の人達を雇用してきました。当社で「公益法人駒形育英会」を作り、昭和30年代から給付型の育英事業を行ってきました。当時は、自分の名前を漢字で書くのも精一杯な人が多くて、その人たちの子弟を学校に行かせようという事で、学費を支援をしていました。その他にも、健康保険・年金制度を行って退職しても年金を受給することができました。OB会でOBの方から感謝されています。古くから地域の連携が強く、その歴史を知り「地域社会」について自然と考え行動していたからだと思います。

──若い頃のエピソードって何かありますか?

小さい頃はこの場所でトロッコとか、ソリを作り砂利山で休日に友達とすべって遊んでいました。入社した時期は丁度バブルのころだったので…。しばらくして日本の景気が悪くなって、平成6年にダンプトラックの積載量の規制の法律ができ、またリサイクルプラン21(建設副産物対策行動指針)という「リサイクル材を使おう」という話も出てきて、砕石の出荷量日本一は変わりませんが、今まで路盤材向けに出ていたゼロものがリサイクルものになって出荷量が減少しました。なので法規制に対応する30年間だったかなと思います。運賃(品代)を上げ積載を下げる。この繰り返しでした。 ※ゼロもの…粒度の上限だけが定められている道路用砕石のこと。


──これからの市場に向けて御社で何か取り組みはありますか?

これからも品質の向上を目指しています。栃木県石灰工業協同組合の理事長をしている関係で、石灰組合として島根大学と足利工業大学と共同研究を行っています。現場のニーズをいかに吸い上げ、技術とのマッチングですね。

──品質管理にはどういった項目があるんでしょうか?

建築用消石灰には白度試験とか蒸気試験とか。フケ試験とも言っています。他に成分分析、粒度分析、漆喰には塗り付け試験などがあります。
※フケ試験…未消化の石灰が含まれているかを確認します。



──銀座でフレスコ画の展覧会があり御社の名前がありました。栃木県石灰工業協同組合百年史を見ると栃木の皆さんが普及させていることを知りました。どのような活動をされているのでしょうか。

栃木県石灰工業協同組合が創立90周年の時に、吉澤 慎太郎前理事長によりフレスコ壁画を記念として制作することになりました。東京芸大の大野 彩(みさお)氏を中心に環境ラボで描いていただいた、それが始まりです。東京の展覧会はフレスコ画を書く人々を石灰やロータリークラブに関わる者が支援している形です。また、佐野市在住の方もいるのでお願いをして病院やいろいろな施設にフレスコ画を描いてもらっています。まだ未完成ですが葛生伝承館のフレスコ壁画は日本最大級の壁画になると思います。


──産業として石灰を採掘して販売をするところから始まって、育英会を含めて携わっている大人から子供まで学んでいけるように支援をして、アーティストたちがフレスコ画を発表できるような場を設けて…これってすごいことですよね。

あまり実感ないけどね(笑)私で6代目ですが、昔からこの土地の人々は「助け合って」生きているんですね。それはこれからも続いていくんじゃないかな。一昨年に、地元佐野市の教育委員になりました。平成34年開校になる小中一貫校へ「葛生産業協会」「まちづくり葛生」の方々から支援を受け、開校に合わせてタブレットを寄贈することにも尽力いたしました。

──貴重なお話、採掘場の見学をさせていただきありがとうございました。最後に、佐野といえばラーメンですが、この付近で美味しいお店はありますか?

近くだと、さの屋、中央軒、あずま、最近開店されたお店ですと「鈴庵」っていうお蕎麦やさんが美味しいです。お昼時は結構混雑していますね。佐野ラーメンなら「大和」も美味しいかもしれない。

──本日はありがとうございました!
(インタビュー当日「大和」は定休日でした…が、他の街建スタッフが過去に訪れていました!)

佐野ラーメンといえば、あっさりスープで上品な印象だったのですが「青竹手打ちラーメン大和」は、そんなイメージを吹き飛ばすくらい濃厚でガツンとくるラーメンでした。チャーシューが美味しかったです!

■ 青竹手打ちラーメン大和(食べログ)※外部リンク
青竹手打ちラーメン大和

駒形石灰工業株式会社

住  所:〒327-0525 栃木県佐野市あくと町4201
電話番号:0283-85-2484(代)
http://www.komagata-inc.com


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