不定期連載 街建コラム

洗い出し仕上げが簡単にできる!?洗い出しネット輝を実際に使ってみた《第35回 街建コラム》

お家時間がたっぷりある昨今、前回コラムの延長線としてタイミングの難しい洗い出しを手軽にできるというネット貼りの「洗い出しネット輝」(以下、「輝」)を使ってみました!

予備知識として洗い出し工法を勉強すればするほど、「焼きつき」を防ぐためには、気温や湿度が影響することに怖気づいてしまいます。でも、「輝」なら洗い出すタイミングが早くても種石が取れることが無いので、できる限り手早くすれば失敗は無いようです。
メーカーの日本玉石(株)さんからも、アドバイスを頂き、気合を入れてやってみることに!

ファーストビュー画像

このコラムの目次...

なにか身近に使えるものを洗い出し仕上げしてみようということで。

作業1日目画像

「使わなくなったごみ入れを傘立てに変身!」 「犬小屋を邸宅風に!」等を計画・・・。

犬を飼っていないので犬小屋はあきらめるとしてコンクリートブロックに施工しようと思い立ったが、穴に傘を立てるたびに傘の生地が傷むのでは・・・と100円均一で販売している発砲スチロール製のブロック(200円也)に施工することにしました。


ただし軽いスチロール製の場合傘を立てると倒れるのでは・・・と危惧しましたがネット貼りとはいえ自然の玉石がびっしりと付いているので重さは結構なものになります。
はじめは、素人の筆者が施工するつもりでしたが、あいにく撮影しながら制作するのはムズかしいので、知り合いのタイル屋さんに協力を依頼しました。

材料と道具の紹介

計画ではセメント系の材料で「輝」を貼り付け、目地詰めの後に、拭き取り作業をするはずが・・・
「プラスチックのくず入れとスチロール製ブロックにはセメント系ではくっつかない」と言われ、急遽「タイル張り用弾力性接着剤」で貼ることになりました。
今回はタイルメントの「フレックスモザイク」を使用。

作業1日目(輝を貼り付ける)

作業1日目画像

撮影の合間にちょっと手を出すたびにあっちこっちにくっついて・・・洗っても落ちなくて・・・この接着剤、手に付くとなかなか取れなくて素人が扱うにはちょっと厄介です。
この時点で、「さすがプロ!無駄な動きが無く余計なところを汚すことなく手際が良い!」と感心することしきり。

作業1日目画像
作業1日目画像

プラスチックのゴミ入れが思いのほか柔らかくて大変扱いにくく、接着剤をくし目鏝で塗るのも大変でした。今回は弾性接着剤で正解でした。

まず、そのまま1枚を貼り付け、あとは少し小さめに切った材料を貼り付ける。隙間を埋めるように予備砂利(手埋め用の石)を置いていく。「輝」の中には同じ予備砂利が小袋で同梱してあるので親切設計です。

作業1日目画像

大体の大きさで貼り付けた後にカットしました。

作業1日目画像

はじめは要領が分からずハサミで石をよけながら切っていましたが、裏からカッターで切り目を入れて左右に引っ張ると一番欲しい形になることに気が付き、イッキに作業がはかどりました。

次は、スチロール製ブロックに取り掛かります。
カッターでブロックの両端が平らになるようにカットしました。
接着剤でぐるりと一周を貼り付け。

作業1日目画像
作業1日目画像
作業1日目画像

セメント系の材料ならそのまま洗い出しの作業に移行できましたが、接着剤の為一日目の作業は終了です。作業時間は1時間ほどでした。


作業2日目(目詰めをする)

接着されているのを確認して作業2日目。

作業2日目画像

今回使用したタイルの目地材。色は白。
スチロール製ブロックの色目に合わせて施工。
レンガ鏝で練り、タイル用ゴム鏝で塗りつけます。種石がしっかり貼り付いているので目地入れは簡単でした。

作業2日目画像
作業2日目画像

茶色い方のブロックの色目に合わせるために、白の目地材に手持ちの色粉(マイン)の赤と黄土色で調節。 白目地と同じように塗りつけていきます。

作業2日目画像
作業2日目画像

丸型の方はタイル目地の濃灰を使用しました。今回は二瀬窯業(株)の目地セメント。

作業2日目画像

全体を塗り終わったタイミングで初めに施工したブロックの拭き取り作業に移行。


拭き取り作業

まず、白目地の方。
濡らしたスポンジで拭き取ります。濡れた種石がとてもきれいです。

拭き取り作業画像

そのあと、茶色い目地の方。

拭き取り作業画像

最後に筒状の物。上部の種石は「桂林」です。下部は「黒伏見」。
今回「濃灰」で目地を詰めたので、下部の黒伏見が際立たない・・・普通の「灰」のほうが良かった・・・かも・・と少々後悔しました。

拭き取り作業画像
拭き取り作業画像

拭き取り作業は2度行いました。出来上がりはどうですか?

完成画像

乾燥後、傘入れの内部が白いプラスチックのままなのは、ちょっといただけないなぁと黒のペンキで塗装。これで益々高級感が出た!と自画自賛。
随分柔らかかったプラスチックのゴミ入れも、石貼りのネットを貼って、目地材を入れるたびに強度が増して、出来上がったものはしっかりとしたものになりました。
すっかりと乾燥したら、通常は色が薄くなるので目地の色も良くなりました。

雨の日、外出から戻ったときに玄関先に持ち出すにも、片付けるにも、ちょうどよい重さのブロックの傘立てと、たくさんの傘を収納して置ける廃品利用の傘入れができました。
今年の梅雨には大活躍してくれそうです!

今回使用した商品

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まとめ

今回使用の材料は日本玉石(株)の「洗い出しネット輝」(かがやき)の「黒伏見」「桂林」それぞれMサイズ。
比較的小さなものに使用するならSサイズが扱いやすいですが、大きめのサイズは存在感があって素晴らしいです。
テーブルの天板など、アイデア次第でいろいろなものに使えるかもしれませんね。