不定期連載街建コラム

《第21回 街建コラム》投げ込みヒーター(パイプヒーター)でローストビーフを作ってみました

みなさん低温調理器「BONIQ」ってご存じでしょうか?

今、流行っているようです。
お家でレストランのような絶品ローストビーフや安い鶏むね肉で手作りハムを作れたり、ちょっとおしゃれで高級感漂う調理器具です。

おや!?これってなんだか左官屋さんの使ってるパイプヒーターに似ている!!
おしゃれでもなく、高級感も漂わないですが代用できないかな?
ということで今回は「投げ込みヒーター」で絶品ローストビーフに挑戦してみました!


このコラムの内容は...

投げ込みヒーターとは

投げ込みヒーターとは、パイプヒーターとも呼ばれ、火を使えない現場などでお湯を沸かす道具です。
電源さえあればどこでもお湯を沸かすことができるので様々な場所、用途で使用されています。
火を使わないので燃え移ったり、爆発する危険がないので建築現場ではよく見かけます。
他にもお祭りの屋台でコーヒーやお茶を温めているところを見かけますよね。
今回は、温度調整が可能なサーモスタット付のバケツ用ヒーターを使います。

ローストビーフのレシピを探す

レシピはネット上に有るわ!有るわ!わんさか出てくる中から、なるべくシンプルで手に入りやすいもので作ることに。
その中でもBONIQのサイト内で、塩で味付けするタイミングを検証したものを発見。
折角やってみるならこの中で一番おいしそうな作り方にチャレンジ!
おまけに一番簡単そうだし・・・♪

投げ込みヒーターを使う上で気になる点

一番の懸念は“果たして数万円の低温調理器の定温キープ力と投げ込みヒーターサーモスタットの能力の違いは?”という一点。
たんぱく質の変性を左右する調理器は3℃も差が出れば、大変なことになると思われる。
だって、人がお風呂に入ったとき、ホンの1〜2度の違いで「熱ッ!!」とか「ぬるッ!」とか、大騒ぎになるくらいだから...
そう言えば、阪神大震災のときに投げ込みヒーターでお風呂に入った話がありました。
もちろん使用法としては、間違っていますが背に腹は代えられなかったのですね。
ネット上では、追い炊き機能のないお風呂を使われている方が、自己責任で使用している記事がありました。

お肉の調達

話は逸れましたが要するにどのくらいの誤差があり、どんなふうに使う必要があるのか情報を収集。なるほど・・・温度を一定に保つためにはお湯をかき回す必要がありそうですが、そのあたりはテキトーに。
まずは肝心の肉の調達!

最初に品ぞろえの多い大きなスーパーに向かいましたが、そもそも家でローストビーフを手作りしようなどいうグルメ&主婦の鑑は、せっかく時間をかけるなら○○牧場のロース100g ○○○円くらいの上等なお肉を使うのが、正解!?
でも、予算が足りない・・・ので、違うスーパーに。肉売り場の端の方にちょこんと鎮座してます豪州産肩ロース。おまけに、私の大好きな20%引きだ!!当然こちらをゲット。
これなら、失敗してもあきらめがつきますし・・。

という訳で購入したお肉はこちら。ワクワクです。

投げ込みヒーターでローストビーフを作る

準備:ウルトラバケツ、湯スターSA型、温度計、フライパン
材料:豪州産ビーフ(写真の通り20%引き)、塩、胡椒、市販のたれ、密閉袋

1.肉を同じくらいの厚みになるように二分し、真空パックにするために水を入れたバケツに沈めます。
(もちろん水が入らないように)

2.バケツの水温が57℃くらいになるようにお湯と水で調整します。

3.ヒーターに直接触れないように固定。

4.あとは2時間待つのみ。

5.時間が来たらそれ以上肉に熱が入らないように、水で冷やし余分な肉汁をペーパータオルでとる。塩・胡椒をして1時間ほど冷蔵庫でねかす。

6.その後フライパンで焼き目をつけて出来上がり!ごめんなさい、写真を撮り忘れてしまいました(汗)

出来上がりはこの通り。なかなかの出来栄えでしたが、悲しいかなまな板も無く、包丁の切れもイマイチで、薄く切ることもできず。盛り付けもインスタ映えもせず・・・
ただ、お味はなかなかのもので、安いお肉だった(それも20%引き!)割には、臭みもなく柔らかく「美味しい!」という皆の評価でした。(お世辞と遠慮もはいってるかも!)
レアの大好きな私は、この肉々しさにもちろん大満足。今度は何を代用して作ってみようかと思案中です。

なんか変な音と匂いが...

温めている途中に席を外していると、「なんか変な音と匂いがしてます!」と報告があり、慌てて見に行く。
バケツの中でヒーターが倒れそうになっていて、密閉袋にくっついて袋が解けていました。
もちろん、ヒーターに取り付けてある固定具でバケツの縁に固定はしていましたが、頭でっかちのヒーターとバケツの柔軟性のおかげであえなく傾いてしまい、このような事故に...。

最後に

一番の教訓は、やっぱり道具が肝心だ!ということです。
左官さんにとっての鏝と鏝板のように、料理をするには切れの良い包丁とまな板は必須という結論に達しました。
みなさん、道具を大切に!

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