第3回 建材店訪問 <株式会社 西田>

街建のご利用ありがとうございます。

今回の建材店訪問は群馬県沼田市に本社を構える株式会社西田さま(以下 (株)西田)へおじゃまし、西田社長と街建を担当されている岩瀬さまにインタビューをしました。

──まず、御社の特長的なところを教えてください。

(西田氏)やってる業種は様々ですけど、左官に関して言えばうちの一番の大元ですし、うちの会社が始まったきっかけとも言えます。きっかけが左官資材ですから、今後も大切にしていきたいと思っています。(株)西田は私の先代やその前もおりましたけど、その時ごとに常に新しいものをお客さまに提案をしてきました。そこがこの地域の左官屋さんと一緒にやって来れた理由なのかなと思っております。

──社長で何代目になられるんですか?

(西田氏)社長としては3代目です。昭和27年に創業しまして、65年目ですかね。

──沼田市。当時は沼田町でしたが、こちらの地域で創業されたのには、なにか理由はありますか?

(西田氏)この地域で創業したのは、まず父が生まれ育った所がココなんです。 そしてそこの沼田の駅前にもともと私の父の親戚筋にあたる左官資材商店がありました。
当時、前橋に矢川商店という大きな建材店がありまして、そこに父が修行にいってました。 ただ昔は交通の便があまり良くなかったので、矢川商店のお客さんもこっちにいたんですけど、配達が大変だったようです。だから早々と「沼田はお前に任せるから、向こうで開業せえ!」ということになったみたいですね。のれん分けに近いですよね。

ただ昔はリアカー1台で始めたと聞いてますし、沼田は坂の町でしょ。
子供の頃に、「リアカー曳いて坂を登るのは大変そうだった」って、よく聞きましたね。

──リヤカー1台からの開業から今は本社、高崎支店、今年の5月にリニューアルされたインテリアショップのアーテリアとご商売の広がりを見せていらっしゃいますが、それぞれに特徴はありますか?

(西田氏)うん、やってることは全然違いますね。
渋川にも営業所があるんですよ。沼田と渋川は建材の卸がメインです。一部、工事もあり、タイル工事ですとか、ブロック工事などをやってます。
高崎のほうも二つに分かれてまして、一部門は、完全に工事部隊です。タイル、塗り床、金物、あとは薪ストーブ、サウナの施工工事で、もうひとつはインテリアショップのアーテリアですね。

──インテリアショップではどういったものをお取扱いですか?

(西田氏)完全に小売りで北欧デザインのものや国内産のソファーがメインですね。あと家具、机、いす、絨毯。絨毯はイラン製ですね。

──御社のインテリアショップをお客様に知っていただくために、サイトの他に行っていることや、売り場作りで意識されていることはありますか?

(西田氏)知っていただくためには色んなことをやっています。もちろん広告を打ちますし、年間を通してイベントもやります。イベントでいえば「ソファーフェア」、「北欧フェア」とかですね。他にDM、タウン誌などですね。
特に今回のリニューアルでは、やっぱりお客さんにとってイメージが湧きやすいもの、「こういうセンスで、こういうお部屋で生活をしたいな〜」とヒントになるお店を作りたかったんです。お客さん(そのご家族)の一生に寄り添うような家具を扱いたいというのが、今回リニューアルした最も重要なコンセプトでしたから。
とはいえ、うちはもともとインテリアショップではないので、今回のリニューアルでは店内の一部に黒漆喰を使って、うちにとって大切な左官もお客様に知ってもらえるようにしています。

──インテリアショップで一般ユーザーさんとの接点を持ち、そこからのニーズを左官、材料販売といった部分にフィードバックされているんですね。メーカー、商社、職人、ユーザー、すべてを繋げる仕組みを作られているのはとても興味深いですね。

(西田氏)あとエクステリアもね。うちは空間すべて一緒だと思っているので。
昔は居間があって、食堂があって、お勝手があって、応接間があって、今はそれぞれの空間が全部繋がってきてるでしょ。しかも昔よりもずっと家そのものに関心の強い人が増えてるように思います。こだわりを持っている人がとても多いので、良く調べてるし、知識のある人がいっぱいいますよ。でもやっぱりその人が、一生に何回コーディネートをするかって考えると数少ないと思うし、私達はプロとして、キチンとお客さんと一緒に実現をしてあげるだけの能力とスキルを持ってやらなきゃならないし、そこがうちの生きる道だと思っています。

──次は御社で街建の担当者をされている岩瀬様の入社当時のお話しを聞かせてください。

(岩瀬氏)僕は大学卒業する前からお世話になってるんですけど、大卒から考えれば3年目になります。入社時の面接では直感的に、ここでいいやっていうか、あっ、ここでいいやってことは勿論いい意味ですよ・・・(笑)(一同笑)
入社当時、印象に残っているのは運転ですね。僕最初ペーパードライバーだったんで、無難に運転できるようになって進歩を感じたっていうのはありますね(横で社長・笑)。

(西田氏)お前そういえば、よくぶつけたもんな〜、そういえば最近ないなあ!(笑)
(岩瀬氏)そうですね。ぶつけたり、擦ったり、田んぼに落ちたり(苦笑)
  (一同爆笑)
当時配達は軽トラでマニュアルだったんですよ。それでマニュアルはちょっと苦手で色々やらかしました。
フォークリフトも乗ったことなかったんで、できる限りの破壊はやりました。刺す、擦る、落とす。
(西田氏)そのかわりデカい事故はないよな〜。
でも思い出してみれば、俺もそうよ。免許は持ってたけどペーパードライバーで運転したこともなかったし、いきなりコラム型の1tトラックで配達して来いって言われて。 どうやって運転するんですか?ってさ(笑)

──その頃から3年経った今では、職人さんの前で講習会とかされてるんですよね?

(西田氏)そうだね。大したもんだよ。この子は!
彼は大学時代からうちに居たので、うちの一番古くからの左官部門は彼が大学卒業してすぐ彼に任せちゃった。
彼も大変だったと思うけど、でもあっという間に覚えて、それをさらにまた自分で新しいものを広げて提案もして来るし、なかなかスゴいですね。

──講習会といえばけっこう最近は職人さんが減ってきていると言われてますけど、人数は集まりますか?

(西田氏)前から比べるとちょっと減ってはいると思います。でもこの地域は職人さんが多くいますよ。
左官屋さんが跡継ぎで繋がってる率としては、ここは高いんじゃないですかね。沼田の左官組合さんは、平均年齢は低いほうだと思います。以前に比べれば左官組合の中心となっている人達は、ずいぶん若返りましたよ。30代、40代が中心ですかね。
それに若い子達が跡を継げば、やっぱり仲間を増やそうとしますから、「なんだお前何やってんだ」、「俺んちで一緒に仕事手伝わねえか?」っていうような流れが出て来ていますね。

特に今、左官屋さんや大工さん等の訓練場所にスポットがあたってます。
沼田では民間の利根沼田テクノアカデミーが始まりまして、今のところは板金と瓦、大工、設備が開講しています。そして、いよいよ左官科もできるという流れにもなってきています。楽しみです。
そのテクノアカデミーを立ち上げた方と前々からこういうことやりたいんだって話しはしていたんです。彼は独自に職業訓練をしていまして、それをきちんとした形でやりたいんだって相談受けてる中で左官も是非やろうや、という話しから実現の方向で動き出しました。
ただ、完全全寮制のテクノスクールみたいに一年間とか二年間とかっていう長さではなく、短期集中でやっています。
私もここら辺の商業高校などで就職の模擬面接のお手伝いをした中で感じましたが、自分はモノづくりがしたいんだっていう子はいるんですよね。モノを作ることが好きなんですっていう子が必ずいるんですよ。
その子たちの就職先って、今までは工場だったりパン屋だったりそういうところなんですよ。それ以外の選択肢も彼らに知ってもらえるのは、すごくいい場所が始まったなと思ってます。だから左官のコースができるのはとても楽しみにはしております。左官っていう仕事があるんだって知ってもらえるきっかけになりますし、ますます広がってくれればいいなって思ってます。
もちろん新築の家は建たなくなってる状況はありますよ。
ただ、大量生産の需要がなくなった時に何が大切かって言ったら、個性がとても大事にされる。ユーザーさんはとっても勉強もしてますし、すごく色んなことを考えてます。だからこの中から選んだらみんな同じ家、っていうものでは満足できないって事になってるんですよ。やっぱり職人さんの手で仕事したものは、同じように見えても世界で一つのものですからね。そういうものを大事にしていかなくては駄目だと思います。
漆喰とか、色んな壁材、本物を求める人も出てくると思います。

──なるほど、ありがとうございます。
(株)西田さんは街建で沢山の商品を出品されてます。最初は街建をどのようにとらえて、今はどのように活用されているのかを聞かせてください。

(岩瀬氏)街建をお店の宣伝のためにという話しも最初ありましたが、自分は最初からもうネット販売的な頭がありましたんで、オンラインショップとして考えてました。
ただ既存の仕事があって、既存のお客さんがいるので、本気でオンラインに参入って意味ではなくプラスアルファとして考えてます。

(西田氏)まだどうしても左官資材自体が近場の限られたエリアの中でモノを買い、施工も行われるっていうのが左官のある意味いいところでもあり、そこから先に行けないところでも、と思うんですよね。そういう意味では色んなところのお客さんが繋がるっていうのは、面白いと思います。 ただ街建に限らずですけど、ネット販売が価格競争の最たるものだと思いますから、それを考えると左官資材のネット販売が今後も成立するかというと難しさも正直感じてますね。とは言え左官屋さんが左官資材探しをできるサイトっていうのはありだと思います。

──ちなみに岩瀬さんは街建のご担当者として一人で作業を行っているという点では日本で一番出品してくれてる人なんですよ。(平成29年8月7日現在)

(西田氏)えっ、そうなの? 日本で一番出品してるの???

──しかもよく遅い時間に出品されていることもあるようですね。ひょっとしたら夜中やってるなって思う時もあるんですよ。

(岩瀬氏)一番最初の頃は、あんまり社内で業務中にPCの前に座りっぱなしで出品登録とかしてるのもちょっとなって思ったんで、家でスマホからちょっとずつ。

(西田氏)え〜、そうなの!・・・それも仕事だからね。大丈夫だよ。
まあ〜、彼は周りに気を遣うほうだからね。良くできたやつでしょ。

──お話しを社長と岩瀬さんから聞かせていただくと、街建で繰り返し売り上げがあがっていることや、岩瀬さんが卒業してすぐ左官部門を任せられていること、(株)西田さんのお仕事、左官に対する思いなどを知ることができるインタビューでした。
では最後に、街建や業界とは関係ない話しなんですけど、この近辺で美味しいお店ってありますか? よく行くお店でもいいですし。

(西田氏)幼馴染がやってる蕎麦屋で「そばしん」さん。私がハイハイしてる頃から通っているお店です。あとは「天神」さん、とても美味しいって評判ですよ。
あとはインターの先の「馬鹿旨(ばかうま)」っていうラーメン屋さん。美味しいと言われ続けて長いですよ。トマトラーメンも普通のラーメンも、カレーもチャーハンも美味しいです。「馬鹿旨」さんの厨房の塗り床は、エービーシー商会さんの材料を使ってウチで施工しています。

──今度食べにいってみます。今日は貴重なお話しを本当にありがとうございました。

株式会社西田

 住  所:〒378-0041 群馬県沼田市榛名町4105
 電話番号:0278-24-1781
 https://machiken-pro.jp/shop/pages/1185.aspx


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