不定期連載街建コラム

モルタルミキサーとは?モルタルミキサーの使い方などを解説します<モルタルミキサー特集 前編>《第4回 街建コラム》

街建のご利用いただきありがとうございます。街建の中のヒト4号です。
前回前々回の街建コラムでは、補修材特集として『下地調整塗材』を取り上げました。
第4回 街建コラムでは、その補修材特集の「施工手順ー混練り」の場面でちょこっと登場しましたモルタルミキサーについてお話しします。


モルタルミキサーとは
おもにセメント、砂、水を混ぜ合わせて、モルタルなどを作る機械で、ミキサー自体は昭和30年頃から使用されるようになります。当初は「タライ型ミキサー」と呼ばれるものが出てきました。昭和35年以降にはミキサーの需要、販売も増え、今では左官工事にはなくてはならない存在になりました。

使い方は、ドラムと呼ばれる容器内にセメント、砂、水などを入れて、容器内の撹拌羽根を回転させるか、または容器そのものを回転させて、ドラム内の材料を練り混ぜます。

モルタルミキサーは、練り混ぜる材料によって、その材料に特化した呼び方になるものもあります。またメーカーによって、回転させる動力のちがい、ドラムの形状のちがいからさまざまな呼び方があります。

一般的なモルタルミキサー



材料のちがい:
 グラウトミキサー

株式会社友定建機
グラウトミキサーT-MG-50

動力のちがい:
 エンジンミキサー

株式会社マゼラー
エンジンミキサーPM-40E

ドラム形状のちがい:
 ポットミキサー

トンボ工業株式会社
グリーンミキサNGM-2.5BCM4

モルタルミキサーの混合量
モルタルミキサーでは、混練りができる量(混合量)を『切(さい)』や『L(リットル)』で表すことが一般的です。
※『切(才)』とは、1切=1尺×1尺×1尺(約30.3cm×約30.3cm×約30.3cm)=約0.028m 3で、約28L(約30L)になります。
※ちなみに『 L 』は…
『L』は、1L=1,000cm 3(10cm×10cm×10cm)で、『1mm厚×1m 2』です。
※混合量など製品仕様の詳細は、各メーカーのカタログ、取扱説明書をご参照ください。
モルタルミキサーの使い方
モルタルミキサー(電動モーター100Vタイプ)のごく一般的な使い方を紹介します。
(砂とセメントを使い、モルタルを作った場合)

1.電源コードを100V用のコンセントにつなぎます。

電源コードを100V用のコンセントにつなぎます。
2.スイッチを入れ、撹拌羽根を回します。

安全ガード(安全カバー)がある場合はかぶせてください。スイッチを入れ、撹拌羽根を回します。
3.まず最初に砂をスコップ3杯程度入れます。

まず最初に砂をスコップ3杯程度入れます。
(材料は撹拌羽根が回転しているところへ投入します)
4.つぎに必要量のセメントを入れて先ほど入れた砂と混ぜ、水を入れて柔らかくします。

つぎに必要量のセメントを入れて先ほど入れた砂と混ぜ、水を入れて柔らかくします。
5.残りの砂と水を交互に入れ、適度な硬さにします。

残りの砂と水を交互に入れ、適度な硬さにします。
6.モルタルができたら羽根を回したままモルタルを排出します。

モルタルができたら羽根を回したままモルタルを排出します。
7.使用後はスイッチを切り、コードを抜いた後、しっかり水洗い(清掃)をしてください。

使用後はスイッチを切り、コードを抜いた後、しっかり水洗い(清掃)をしてください。
※使用および清掃などの際は、各メーカーの取扱説明書をご参照ください。
より安全に・より便利に
現場でモルタルミキサーを「より安全に」、「より便利に」使用できるように、次のような機能が付いているものもあります。
安全ガード(安全カバー)
撹拌羽根の回転中に、ひとの手、材料の袋などがドラムの中に入ってしまうことを防ぐためにドラムの上にかぶせるカバーです。
作業に入る前(コンセントを入れる前)に「安全ガード(安全カバー)をかぶせる」ことを指示しているミキサーもあります。
脚高
モルタルの排出口の真下に、一輪車などがスムースに入るようにモルタルミ キサーの脚を長く(高く)しているものもあります。
メーカーによっては脚高タイプをハイソックスタイプと呼ぶ場合もあります。
混練したばかりのモルタルを一輪車ですばやく運ぶことができるのでとても便利です。
補助輪
トラックの荷台にミキサーを乗せやすくするために、通常の車輪のほかに『補助輪』がついているものがあります。
※右は、株式会社マゼラー『 モルタルミキサーPM20NH 2 の補助輪付き』をトラックの荷台につみこんでいるところです。
街建コラム『モルタルミキサーの特集・前編』、今回はここまでです。
『モルタルミキサーとは』から始まり、『使い方』や、『安全、便利に使うための機能』などを紹介しました。いかがでしたでしょうか。
次回は、『その他のミキサー』としてグラウトミキサーやポットミキサーなどを紹介し、ポットミキサーの使い方などもお話していきます。
ご意見、お問い合わせは下記のところまでお願いします。
次回の街建コラムもお楽しみに。

お問い合わせ
https://machiken-pro.jp/shop/contact/contact.aspx

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参考資料
・社団法人日本左官業組合連合会 左官事典
・株式会社友定建機 ホームページ(製品紹介)
・株式会社マゼラー ミキサーカタログ [15版]
・トンボ工業株式会社 NIKKOミキサカタログ
・ウォール No.24号